ワイヤーハーネスとは

ワイヤーハーネスとは、電線やケーブルを効率的に束ねて整理し、電気信号や電力を特定の機器や装置に伝送するための部品や配線システムを指します。

電線を保護し、接続性や安全性を高める役割を果たします。主に自動車、家電製品、航空宇宙、産業機械など、さまざまな分野で使用されています。

特に自動車ではエンジン制御、照明、センサー、インフォテインメントシステムなど、あらゆる電子機器を接続する重要な役割を担います。

ワイヤーハーネスは、電線だけでなく、コネクタ、端子、絶縁体、保護チューブ、固定用のクリップなどの部品で構成されます。

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車載ワイヤーハーネスの特徴

車載ワイヤーハーネスには、有線のアナログ信号、CAN、FlexRay、Ethernet、LVDSなど複数の通信規格が使用されています。

これらを自動車の過酷な環境でも安定した電力供給と信号伝送を実現するため、高い耐久性と信頼性が求められます。

特に以下の要素が重要です。

・耐熱、耐寒性能:エンジンルームやバッテリー周辺での厳しい温度環境での耐久性

・耐振動、耐摩耗性:車両の走行振動や衝撃による瞬断や断線を防ぐためのフレキシブルな耐久性

・防水性:外装部分やエンジンルーム内での防水性

・屈曲耐久性:バックドアやサイドミラーなどの繰り返し開閉による屈曲動作部の耐久性

また、EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)向けには高電圧対応のワイヤーハーネスが求められ、高絶縁材料やノイズ対策の強化が必要となります。

ワイヤーハーネスの設計では、コネクタの選定、ケーブルの種類、レイアウト設計が非常に重要であり、車両全体のシステム効率や安全性に大きく影響します。

監修者

1990年~車載アンテナメーカーである株式会社ヨコオに入社。衛星通信機器の電気設計及びセラミックアンテナ及びフィルターの設計に従事し、その後車載通信機器事業部の電気設計管理職となり主に車載アンテナの開発を遂行。2018年~高周波コネクタ製品のトップシェアメーカーであるローゼンバーガーの日本法人であるローゼンバーガー・オートモーティブ・ジャパン合同会社に転職し、車載通信機器の開発で培った知識を生かし、マネージャーとして各OEM及びTier1へ製品の市場導入サポートを行っています。

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