リターンロス(Return loss)とは

リターンロス(Return Loss)とは

リターンロス(Return Loss)とは、入力した信号が伝送路(ケーブルやコネクタ、PCBパターンなど)を通過する際に、反射される比率を示す指標で、反射損失やR/L(Return Loss)とも呼ばれます。

単位はデシベル(dB)で表され、リターンロスの値が大きいほど反射が少なく、信号伝送が良好であることを示します。

・ リターンロスが大きい(良好な状態)
信号の反射が少なく、データ伝送が安定している。通信エラーが減少し、システムの信頼性が向上する。

・ リターンロスが小さい(不良な状態)
信号の反射が増え、伝送ロスやノイズの発生につながる。

コネクタにおけるリターンロス

リターンロスが発生する主な原因に伝送経路のインピーダンス不整合があります。

コネクタやケーブルの特性インピーダンスが一致していない場合、信号の一部が反射し、信号品質の劣化やノイズの発生につながります。

特に車載コネクタでは、高速通信・デジタル信号伝送の重要性が高まっており、より高性能なコネクタが求められます。

車載Ethernet(100BASE-T1、1000BASE-T1)、LVDS(カメラ/ディスプレイ通信)などの通信規格では、適切なリターンロスの許容値が定義されており、コネクタ単体性能に加え、PCBのパターン設計や、ケーブルとのマッチング(端子の圧着構造や適合性)が非常に重要になります。

目次

関連商品

関連用語

監修者

1990年~車載アンテナメーカーである株式会社ヨコオに入社。衛星通信機器の電気設計及びセラミックアンテナ及びフィルターの設計に従事し、その後車載通信機器事業部の電気設計管理職となり主に車載アンテナの開発を遂行。2018年~高周波コネクタ製品のトップシェアメーカーであるローゼンバーガーの日本法人であるローゼンバーガー・オートモーティブ・ジャパン合同会社に転職し、車載通信機器の開発で培った知識を生かし、マネージャーとして各OEM及びTier1へ製品の市場導入サポートを行っています。

目次