リターンロス(Return Loss)とは
リターンロス(Return Loss)とは、入力した信号が伝送路(ケーブルやコネクタ、PCBパターンなど)を通過する際に、反射される比率を示す指標で、反射損失やR/L(Return Loss)とも呼ばれます。
単位はデシベル(dB)で表され、リターンロスの値が大きいほど反射が少なく、信号伝送が良好であることを示します。
・ リターンロスが大きい(良好な状態)
信号の反射が少なく、データ伝送が安定している。通信エラーが減少し、システムの信頼性が向上する。
・ リターンロスが小さい(不良な状態)
信号の反射が増え、伝送ロスやノイズの発生につながる。
コネクタにおけるリターンロス
リターンロスが発生する主な原因に伝送経路のインピーダンス不整合があります。
コネクタやケーブルの特性インピーダンスが一致していない場合、信号の一部が反射し、信号品質の劣化やノイズの発生につながります。
特に車載コネクタでは、高速通信・デジタル信号伝送の重要性が高まっており、より高性能なコネクタが求められます。
車載Ethernet(100BASE-T1、1000BASE-T1)、LVDS(カメラ/ディスプレイ通信)などの通信規格では、適切なリターンロスの許容値が定義されており、コネクタ単体性能に加え、PCBのパターン設計や、ケーブルとのマッチング(端子の圧着構造や適合性)が非常に重要になります。