コネクタとは?基礎知識からメーカーに関する知識まで解説

目次

コネクタとは?

ここでいうコネクタとは、電子機器や電気回路間を電気的・機械的に接続・分離するための部品を指します。

接続することで回路を形成し、信号や電力の伝送が可能となります。

また分離が可能であることにより、故障箇所の交換が容易となり、機器としての保守性が高められます。

コネクタの役割

・電力供給:電源から機器への電力供給
・信号伝送:機器間での信号伝送
・物理的接続:機器と機器との接続

コネクタの用途例

・家電製品:テレビ、パソコン、キッチン家電、ゲーム機、スマート家電、照明
・車載分野:マルチメディア、通信、センサ、電源、カメラ
・産業機械:工作機械、生産ライン設備、自動化設備、重機、電力設備、医療機器

コネクタの用途は多岐にわたり、さらに各分野で求められている仕様・性能が異なる為、それらに適したコネクタの選定が必要となります。そのなかでローゼンバーガーは特に自動車市場に対するコネクタを提供しています。

様々な車載コネクタ規格で規定されている要求性能の例

・耐環境性能
温度、湿度、振動、衝撃等の環境性能。場合によっては防水性も求められる。

・電気的性能
-高周波への対応
技術の進歩により年々高周波数への対応を求められる。応えるには高い技術力が必要。
-シールド性能
電磁波干渉からの保護機能。※コネクタ外部から内部へ、またコネクタ内部から外部への干渉
-挿入損失(Insertion Loss)
信号がコネクタを通過する際どれだけ減衰するかを表す。
-反射損失(Return Loss)
コネクタ接合部において発生する信号の反射の度合いを表す。
-導体抵抗
-抵抗値の多寡により、電力や信号、更には耐久性にも影響を与える。

コネクタの基本構造

コネクタは主に以下の3つの部品で構成されています。

  1. 端子(Terminal)
    電気的接続の役割を果たす部分で、信号や電流を伝達します。端子の種類や加工方法(例:圧着端子)は用途によって異なります。
  2. ハウジング(Housing)
    コネクタ全体を保護する外装部品で、耐久性や耐環境性を高めるために高品質な素材が使用されます。
  3. 絶縁体(Insulator)
    端子間の短絡を防ぎ、電流の安全な流れを確保するための重要な部品です。
コネクタの構造の一例

コネクタの用途

コネクタは、以下のような分野で利用されています。

  • 家電製品:充電器、テレビ、冷蔵庫など
  • 車載分野:センサーや通信モジュール、バッテリー接続
  • 産業機械:工作機械、医療機器、航空宇宙

各分野で求められる性能や仕様が異なるため、それらに適したコネクタの選定が必要です。

コネクタ端子の種類と役割

端子はコネクタの中で電気的接続を担う最も重要な部品です。

端子の材質や形状、加工方法が適切であるかどうかが、コネクタ全体の性能に直結します。

端子の役割としては

  • 電力や信号を効率的に伝達
  • コネクタ内部の安定した接続を保証

があります。詳細を解説します。

端子の種類

  1. 圧着端子
    ケーブルの導線を機械的に固定し、信号や電流を安定的に伝達する端子。耐久性が高く、車載環境に多く使用されます。
    • メリット:耐振動性、加工の容易さ
    • デメリット:工具が必要
  2. 変換端子
    複数の接続形式を変換するために使用される端子。異なる規格や形状の機器を接続可能にします。
  3. 端子の規格と種類(KW:「コネクター 端子 種類」「コネクター 端子 規格」)
    • 規格例:JIS規格、IEC規格
    • 種類:丸型端子、平型端子、ピン端子など

端子の取り扱い方法

  • 付け方
    圧着方法やはんだ付け方法の手順を解説。
  • 外し方
    専用工具の使用や安全な取り外し方法。

端子の取り扱いは、信頼性や耐久性に大きく影響するため、正しい知識と方法が求められます。

コネクタメーカーとしてのローゼンバーガー

ローゼンバーガーは、ドイツ・バイエルン州南東のミュンヘン近郊に本社を構えるコネクタ専業メーカーです。

特徴

・創業以来60年以上の歴史からくるコネクタ分野に対する豊富な経験
移動通信の基地局や測定器などで活用する高周波コネクタの分野で豊富な経験を持つ

・車載通信システム規格策定への参画による確かな製品設計
チップメーカーやケーブルメーカーと仕様を擦り合わせながら、高周波同軸及び差動伝送コネクタの先行開発に注力

・全自動組み立てを前提とした製品設計による安定した高品質の製品提供
オートメイションにより、安定した高品質製品の提供はもちろん、コスト削減にも貢献

ローゼンバーガーの製品が持つ差別化ポイントを以下の観点で説明します。

  • 性能の高さ:挿入損失・反射損失の低減、耐環境性の向上
  • 製品ラインナップ:同軸コネクタや差動コネクタなど、幅広い選択肢
  • カスタマイズ性:車載用途に応じた柔軟な設計

ローゼンバーガーが製作するコネクタとは?

ローゼンバーガーは、車載用コネクタ分野において、世界トップクラスの技術力と信頼性を誇るメーカーです。

弊社が提供するコネクタは、最新技術を駆使し、車載環境の厳しい条件に対応するよう設計されています。

ローゼンバーガー製品が選ばれる理由としては、

  • 信頼性
    • 世界中の主要な自動車メーカーでの採用実績
  • 革新性
    • 次世代通信規格への対応を見据えた製品ラインナップ
  • グローバルサポート
    • 世界各地の製造拠点と技術サポート体制

といったことが挙げられます。それでは製品について解説します。

同軸コネクタについて

同軸コネクタは、高周波信号の伝送に特化した設計で、自動車内の通信システムを支える重要な部品です。

FAKRAシリーズ

  • 主な用途
    • 車載カメラ(例:バックカメラ、360度カメラ)
    • GPSアンテナ
    • 無線通信システム
  • 特徴
    • 高周波対応(最大6GHz)
    • 標準化された設計により、互換性が高い
    • 過酷な環境でも動作する耐久性

HFM(High-Speed FAKRA-Mini)シリーズ

  • 主な用途
    • 自動運転用の車載カメラ
    • 車両間通信(V2V)
    • 車載レーダー
  • 特徴
    • 小型軽量設計
    • 高速データ通信対応(最大18GHz)
    • 耐振動性・耐熱性に優れる

差動コネクタについて

差動コネクタは、高速データ通信に最適化されており、車内ネットワークや自動運転システムで活躍しています。

HSD(High-Speed Data)シリーズ

  • 主な用途
    • ADAS(先進運転支援システム)
    • 車内LAN(例:Ethernet)
    • インフォテインメントシステム(USB、HDMI接続)
  • 特徴
    • EMI耐性(ノイズ干渉の軽減)
    • 高信頼性のデータ伝送(最大1Gbps対応)

H-MTD(High-Speed Modular Twisted-pair Data)シリーズ

  • 主な用途
    • 自動運転車のセンサー・カメラ接続
    • 次世代通信システム(例:5G対応)
  • 特徴
    • 超高速通信(最大10Gbps以上)
    • 小型化と高耐久性の両立
    • モジュール設計による柔軟な対応

ローゼンバーガーの技術的強み

日本国内の車載コネクタ製品は、性能や用途によって幅広い選択肢が提供されていますが、いくつかの共通した傾向があります。

  • 標準化された設計で互換性が高い
  • 基本的な耐環境性能(振動、温度、湿度への対応)
  • コスト重視で設計された製品が多い

ローゼンバーガーのコネクタは、最新技術を活用して設計されており、他社の製品と比較して以下の点で優位性があります。

性能の高さ

  • 挿入損失(Insertion Loss)の低減
    高周波信号伝送において、ローゼンバーガーのコネクタは信号劣化を最小限に抑える設計が施されています。
  • 反射損失(Return Loss)の最小化
    高速通信環境でも安定した信号品質を提供します。
  • 耐環境性能
    過酷な車載環境(高温、多湿、振動)でも長期間の安定動作を保証。

製品ラインナップの広さ

  • 同軸コネクタ(例:FAKRA、HFM):高周波通信向け
  • 差動コネクタ(例:HSD、H-MTD):高速データ通信向け

カスタマイズ性

  • 特定の車載用途に応じた設計が可能
  • 小型化や軽量化、高周波対応など、多様なニーズに対応

そのほか導入実績、規格への対応

ローゼンバーガー製品は、世界中の主要な自動車メーカーや部品サプライヤーに採用されています。

  • グローバルな採用事例
    • 自動運転車用のカメラシステムやセンサー接続
    • 電気自動車のバッテリー管理システム(BMS)
  • 高信頼性の証明
    • 国際基準(ISO/TS 16949、IP規格)をクリア
    • 長期間の安定運用が求められる用途での使用
    • 環境に配慮した材料選定と製造プロセス

まとめ

コネクタは、電子機器や自動車などの現代技術を支える重要な部品です。

その役割は信号伝送や電力供給にとどまらず、信頼性や耐久性を高めることで、私たちの生活をより快適で安全なものにしています。

  • 電子部品やシステム間を接続し、効率的な機能を保証する要。
  • 家電、産業機器、そして自動車分野での広範な活用。

国内外で数あるコネクタメーカーの中でもローゼンバーガーのコネクタは、車載分野に特化した製品として高い技術力と信頼性を誇ります。

次世代の車載技術(例:自動運転、5G通信、EV)の進化に伴い、ローゼンバーガーは革新を続けています。

その製品は未来のモビリティ社会における安全性、快適性、効率性を支える鍵となるでしょう。

ローゼンバーガーの製品がどのように貴社のニーズを満たせるかを、ぜひご確認ください。

詳細な製品情報やカタログのダウンロード、お問い合わせはこちらから可能です。

監修者

1990年~車載アンテナメーカーである株式会社ヨコオに入社。衛星通信機器の電気設計及びセラミックアンテナ及びフィルターの設計に従事し、その後車載通信機器事業部の電気設計管理職となり主に車載アンテナの開発を遂行。2018年~高周波コネクタ製品のトップシェアメーカーであるローゼンバーガーの日本法人であるローゼンバーガー・オートモーティブ・ジャパン合同会社に転職し、車載通信機器の開発で培った知識を生かし、マネージャーとして各OEM及びTier1へ製品の市場導入サポートを行っています。

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