中継コネクタ(Wire to Wire Connector)とは

中継コネクタ(Wire to Wire Connector)とは、電線同士を接続するためのコネクタであり、ワイヤーハーネスの途中で信号や電力を中継する役割を担います。

電線同士の接続を容易にするだけでなく、分岐や延長、変換、メンテナンスのしやすさなどの利点があり、車載、産業機器、家電製品など幅広い分野で使用されます。

車載用途では、エンジンルーム、車内配線、シャシー周りなど、振動や温度変化が激しい環境でも確実に接続を維持できる信頼性の高い設計が求められます。

目次

中継コネクタの利点と課題

中継コネクタの利点

  ✅ メンテナンス性の向上:ワイヤーハーネスの交換や修理が容易になる。
  ✅ 設計の柔軟性:モジュールごとにワイヤーハーネスを分割し、組み立ての効率化が可能。
  ✅ 接触不良のリスク低減:高信頼性の端子・ロック機構を備え、安定した電気接続を実現。

中継コネクタの課題

  ❌ 接触抵抗の増加:コネクタの接点が増えることで、電気抵抗が上がり、伝送ロスが発生する可能性がある。
  ❌ 耐環境性の確保:防水・防塵対策が不十分な場合、腐食や導通不良の原因となる。

車載中継コネクタの特徴

車載用の中継コネクタでは、過酷な環境下でも確実な接続を維持するため、以下の特性が求められます。

 ・耐振動、耐衝撃性能:振動による接触不良を防ぐため、ロック機構を強化。

 ・防水、防塵性:エンジンルームやシャシー周りでは、IP67以上の防水・防塵仕様が必要。

 ・高電流対応:電動パワーステアリングやEVバッテリー配線には、大電流を安全に伝送できる設計が求められる。

Rosenberger製中継コネクタについて

Rosenbergerの中継コネクタは、高耐久・高性能な製品を提供し、EVや次世代車載ネットワークにも対応可能なラインアップを展開しています。

近年では、EV(電気自動車)向けの高電圧・大電流対応の中継コネクタや、高速通信向けの高性能コネクタの開発が進んでおり、 車載システム全体の信頼性向上に貢献しています。

監修者

1990年~車載アンテナメーカーである株式会社ヨコオに入社。衛星通信機器の電気設計及びセラミックアンテナ及びフィルターの設計に従事し、その後車載通信機器事業部の電気設計管理職となり主に車載アンテナの開発を遂行。2018年~高周波コネクタ製品のトップシェアメーカーであるローゼンバーガーの日本法人であるローゼンバーガー・オートモーティブ・ジャパン合同会社に転職し、車載通信機器の開発で培った知識を生かし、マネージャーとして各OEM及びTier1へ製品の市場導入サポートを行っています。

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