セカンダリーロックは、端子が正しく挿入されていることを確認し、確実に端子を固定するための二重ロック機構です。
主に車載コネクタでは、振動・衝撃・温度変化の過酷な環境下でも確実な電気接続を維持することが求められます。
その中で、重要な役割を果たすのがセカンダリーロックで、USCAR規格や各自動車メーカーの独自規格にも定義されており、車載コネクタの標準機能として採用されています。
セカンダリーロックの役割と機能
端子の固定強度を向上
端子を最終的に所定の位置に固定し、振動や衝撃による抜けや緩みを防ぐ。
車両走行時の振動、温度変化、湿気などの影響を受けにくくする。
端子の挿入ミス(半挿入)を防止
セカンダリーロックを装着することで、端子が完全に挿入されていることを確認できる。
半挿入(端子が奥まで入っていない状態)ではロックが閉まらないため、不完全な組み立てを防ぐ。
ポカヨケ機能(作業ミス防止)
作業者が端子を正しく挿入しているかを視覚的・物理的に確認できる。
セカンダリーロックが完全に装着されていないと、相手側コネクタとの嵌合が物理的にできない設計になっている。
これにより、コネクタの組み立て時に発生しやすいヒューマンエラーを未然に防ぐ。
セカンダリーロックの仕組み
端子をハウジングに挿入 → セカンダリーロック作動
端子がハウジングの所定の位置まで挿入されていると、セカンダリーロックを作動することができる。
ロックが完全に装着されていない場合 → コネクタ嵌合不可
セカンダリーロックが完全に装着されていないと、相手側コネクタとの嵌合が物理的にできない設計になっている。
これにより、未完成品が組み立てラインに混入することを防ぐ。

セカンダリーロックには、地域やメーカーごとに異なる呼び名がいくつか存在します。
以下に代表的な呼び名を紹介します。
TPA(Terminal Position Assurance):北米、欧州、一部の日系自動車メーカー
二重係止、リテーナー(Retainer):日本のコネクタメーカー、自動車メーカー