耐電圧とは、電気機器や電子部品が絶縁破壊を起こさずに耐えられる最大の電圧を指します。
単位はボルト(V)またはキロボルト(kV)で表され、定格電圧よりも高い電圧を加えた際に、機器や部品が安全に動作できるかを評価する指標となります。
・ 耐電圧が高い
✅ 絶縁性能が優れており、リーク電流の発生が少ない。
✅ 高電圧環境下でも安定した動作が可能で、信頼性が向上する。
・ 耐電圧が低い
❌ 絶縁破壊が発生しやすく、短絡や発熱の原因となる。
❌ 高電圧印加時にリーク電流が増加し、電気的な誤動作が発生する可能性がある。
コネクタにおける耐電圧
コネクタの耐電圧は、端子間の絶縁距離(クリアランス・沿面距離)や、絶縁材の特性に依存します。
クリアランス(空間距離):端子間の空間的な距離が短いと、アーク放電が発生しやすくなる。
沿面距離(絶縁体表面を伝わる距離):絶縁材の表面を伝って電流が漏れる現象を防ぐために、適切な距離が必要。
特に車載コネクタでは、高電圧化が進むEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)において、400V~800V以上のシステムに対応するため、高耐圧設計や絶縁性能の強化が求められます。
また、耐電圧試験はUSCARや各自動車メーカーの規格に基づき、一定時間高電圧を印加し、絶縁破壊やリーク電流の有無を確認することで評価されます。
これにより、車両の安全性と信頼性を確保するための重要な指標となっています。
・USCAR-2:低電圧(12V/24V)システム向けの試験
・USCAR-12:EV/HEV向け((400V~800V)システムの高電圧コネクタの試験